2025/07/07
スリンダ錠は、2025年6月末に日本で初めて発売されたプロゲスチン単剤経口避妊薬(POP)、いわゆる「ミニピル」です。従来の低用量ピルとは異なる特徴を持ち、これまでピルを服用できなかった方にも新たな選択肢を提供します。
スリンダ錠の主な特徴
- 有効成分:ドロスピレノン
- ドロスピレノンは、プロゲステロン作用に加え、弱い抗アンドロゲン作用(男性ホルモンを抑える作用)と抗ミネラルコルチコイド作用(むくみを軽減する作用)も持つとされています。このため、肌荒れの改善やむくみにくさといった美容的なメリットも期待されています。
- エストロゲンを含まない
- 従来の低用量ピルは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の両方を含んでいますが、スリンダ錠はエストロゲンを含みません。
- これにより、血栓症のリスクが大幅に低減される点が最大の特徴です。そのため、喫煙者、40歳以上、高血圧、肥満、脂質異常症、前兆のある片頭痛を持つ方など、これまでエストロゲンによる血栓症リスクのために低用量ピルを服用できなかった女性も、服用できる可能性があります。
- 高い避妊効果
- 低用量ピル(COC)と同等の高い避妊効果があることを示しています。
- 服用方法
- 28錠タイプで、毎日一定の時刻に連続して服用します。
- 24錠の実薬(白色錠)と4錠のプラセボ錠(淡黄色錠、有効成分なし)で構成されており、休薬期間を設けることで、服用中の月経のような出血を確認できる場合があります。
スリンダ錠の効能・効果
- 避妊
副作用と注意点
- 比較的頻度が高い副作用:不正性器出血(約90%が経験するとされ、特に服用初期は頻繁に見られる傾向がありますが、継続することで減少する場合があります)、下腹部痛、頭痛、乳房不快感、悪心、下痢、ざ瘡(ニキビ)など。
- エストロゲン由来の副作用(吐き気、血栓症リスクなど)は非常に稀です。
- 授乳中の服用は推奨されていません。